おんころぐ

主に5大癌(胃大肺乳肝)に関する論文などを備忘録として。

【NSCLC】ドセタキセル+ラムシルマブ併用療法に対する医療リソース

Healthcare resource utilization in advanced non-small-cell lung cancer: post hoc analysis of the randomized phase 3 REVEL study.

 
目的:REVELでは、進行した非小細胞肺癌(aNSCLC)の患者と腫瘍の侵攻性が増加した患者(急速な疾患の進行(RDP)、プラチナ抵抗性疾患(PRD)、および高い症状負担(HSB))がプラセボドセタキセルよりもラムシルマブとドセタキセルによるセカンドライン治療。この事後分析では、治療に関連する医療リソースの利用(HCRU)について説明します。
 
方法:ファーストラインのプラチナベースの化学療法の最中または後に進行したaNSCLC患者は、無作為化され、ドセタキセルとラムシルマブまたはプラセボのいずれかを、疾患の進行、許容できない毒性、離脱、または死亡まで受けました。 
HCRUには、入院、輸血、および併用薬が含まれていました。カテゴリー変数(カウントとパーセンテージ)は、フィッシャーの正確確率検定を使用して比較されました。連続変数(平均、標準偏差(SD)、中央値、最小値、最大値)は、Wilcoxon順位和検定を使用して比較されました。
 
結果:患者の特徴は、治療群間でほぼ同様でした。
治療意図(ITT)集団(n = 1253)内では、平均治療期間は、ラムシルマブとコントロール群でそれぞれ19.7週間と16.9週間でした。 51.0%対54.9%の患者は、それぞれその後の抗癌治療を受けました。入院率は41.9%対42.6%(p = 0.863)、平均入院期間は14.5日対11.3日(p = 0.066)、輸血率は9.9%対12.3%(p = 0.206)、そして顆粒球コロニーの使用-刺激因子はそれぞれ41.8%対36.6%(p = 0.063)でした。 ITT集団とRDP(n = 209)、PRD(n = 360)、HSB(n = 497)を含む侵攻性疾患サブグループの両方で、治療群間のHCRUに有意差は観察されませんでした。
 
結論、ドセタキセルにラムシルマブを追加しても、進行性のaNSCLC疾患の患者のHCRUは増加しませんでした。これらの結果は、aNSCLC患者の治療の経済評価に役立つ可能性があります。
 
・HCRUとは?
入院および,特定の有害事象(例:血液学的事象)に対する併用薬・併用療法の使用に関する医療資源の利用(HCRU: health care resource utilization)
本データでは、入院、輸血、および併用薬を含まれていた
・結果
平均治療期間=19.7w vs 16.9w
後治療率=51% vs 54.9%
入院率=41.9% vs 42.6%(有意差なし)
平均入院期間=14.5d vs 11.3d(有意差なし)
輸血率=9.9% vs12.3%(有意差なし)
G-CSF使用率=41.8% vs 36.6(有意差なし)
その他、Rapid群やプラチナ抵抗性群、高症状群のそれぞれのサブ解析でも有意差はなし
・結論
ドセタキセルにラムシルマブを追加しても、進行性のaNSCLC疾患の患者のHCRUは増加しませんでした。これらの結果は、aNSCLC患者の治療の経済評価に役立つ可能性があります。
 
【ポイント】
・RAM追加によるHCRU負担の追加がないことの実証は、DTXに対するRAM+DTXの安全性とQOLのプロファイルと一致しています。
▶︎REVEL試験ではQOLがDTX単剤と同等という報告がありましたので、その根拠となるデータとなりそうです。
・DTX単剤と入院の割合と入院期間に有意差がないことは、医療の意思決定者にとって重要な考慮事項である。
・輸血率はRAM群で低い傾向にあり、これはG3以上の貧血の頻度の差と一致している。
▶︎入院が必要になったり(特に輸血)、長い入院はDr.や病院側としても負担になってくるので、そのあたりの懸念を払拭できるデータにもなりそうです。