おんころぐ

主に5大癌(胃大肺乳肝)に関する論文などを備忘録として。

【NSCLC】EGFR M(ー)のメンテナンスにおけるペメトレキセド vs エルロチニブ

Randomized phase 3 open label study of quality of life of patients on Pemetrexed versus Erlotinib as maintenance therapy for advanced non squamous non EGFR mutated non small cell lung cancer.

 
背景:非扁平上皮非上皮成長因子受容体(EGFR)変異非小細胞肺癌(NSCLC)におけるペメトレキセド維持とエルロチニブ維持を比較することを計画しました。この研究の帰無仮説は、ペメトレキセドとエルロチニブの維持の間に生活の質(QOL)に違いがないというものでした。
 
結果:3か月後のQL2スコアは、ペメトレキセド群で63.35(SD 24.99)、エルロチニブ群で63.01(SD 23.04)(p-0.793)でした。 1つのドメインを除いて、スコアは2つのアーム間で統計的に類似していた。下痢の領域では、エルロチニブ群で予想されたようにスコアが高かった(p-0.048)。無増悪生存期間の中央値は、ペメトレキセド群で4.5か月(95%CI 4.1〜4.9か月)であったのに対し、エルロチニブ群では4.5か月(95%CI 3.8〜5.2か月)でした(p-0.94)。全生存期間の中央値は、ペメトレキセド群の16.6か月(15.2〜17.9か月)とエルロチニブ群の18.3か月(95%CI 13.75〜22.91か月)でした(p-0.49)。方法:この研究は、オープンペメトレキセドアームとエルロチニブアームを1:1でランダム化したオープンラベル、単一センター、並行、フェーズ3のランダム化研究でした。 18歳以上の18歳以上の成人患者で、扁平上皮EGFR変異がなく、一次緩和療法で治療され、ペメトレキセドカルボプラチンを4〜6サイクル投与した後に進行性疾患が認められました。主な結果は、3か月後のQOL(グローバルヘルスステータス{QL2})のスコアの変化でした。 200人の患者を対象とした研究では、3か月のグローバルヘルスステータススコアの変化に2つのグループ間の有意差を検出する80%のパワーがあり、アルファエラーは5%、効果サイズは0.3 SDであると推定しました。
 
結論:ペメトレキセド後の維持ペメトレキセドプラチナ化学療法は、EGFR変異陰性NSCLCにおいて、維持エルロチニブよりもQOLまたはイベントの結果までの時間を改善できません。
 
▶︎とても挑戦的な試験だと印象を受けました。日本では(世界でも?)PEM+platinaからのメンテでのPEMというのが長らく標準治療となっている中、メンテでエルロチニブにスイッチするというものです。恐らく日本でこのような臨床試験は倫理的な観点からも組みにくいだろうなと思います。その点インドならではの試験とも言えますが、結果としてもOSは同等という点が非常に興味深いです。またメンテナンスのために通院を嫌がる患者さんも一定数いらっしゃるかと思いますので、この治療レジメンが確立すれば恩恵を受ける患者さんもいらっしゃると思います。
▶︎TAILOR試験よりEGFR M(ー)を対象としてDTX>ERLとなった点と今回のメンテでの結果の矛盾?が気になります。