おんころぐ

主に5大癌(胃大肺乳肝)に関する論文などを備忘録として。

【NSCLC】二次治療以降のS-1

Randomized controlled trial of S-1 versus docetaxel in patients with non-small-cell lung cancer previously treated with platinum-based chemotherapy (East Asia S-1 Trial in Lung Cancer).

 
背景:分子標的療法と免疫療法の最近の進歩にもかかわらず、化学療法は進行した非小細胞肺癌(NSCLC)の管理のための実行可能なオプションのままです。進行型NSCLC患者の標準的なドセタキセル療法と比較して、セカンドラインまたはサードライン療法としての5-フルオロウラシルベースのS-1経口の有効性を評価しました。
 
患者と方法:以前にプラチナベースの􏰀1療法で治療された進行性NSCLCの患者は、1:1でドセタキセルにランダム化されました(日本では60 mg / m2、他のすべての試験施設では75 mg / m2、3週間サイクルの1日目) )またはS-1(体表面積に応じて80〜120 mg /日、6週間のサイクルで1〜28日)。主要評価項目は全生存期間でした。非劣性マージンはハザード比(HR)1.2でした。
 
結果:合計1154人の患者(各アームに577人)が登録され、2つのアーム間でバランスの取れた患者特性が得られました。全生存期間の中央値は、S-1群とドセタキセル群でそれぞれ12.75ヶ月と12.52ヶ月でした[HR 0.945; 95%信頼区間(CI)0.833–1.073; P 1⁄4 0.3818]。 HRの95%CIの上限は1.2を下回り、S-1のドセタキセルに対する非劣性が確認されました。治療間の無増悪生存期間の差は有意ではありませんでした(HR 1.033; 95%CI 0.913–1.168; P 1⁄4 0.6080)。奏効率はS-1とドセタキセル群でそれぞれ8.3%と9.9%でした。 S-1群の時点で、EORTC QLQ-C30のグローバルヘルスステータスに有意な改善が見られました。最も一般的な副作用は、S-1群の食欲低下(50.4%)、悪心(36.4%)、下痢(35.9%)、好中球減少症(54.8%)、白血球減少症(43.9%)、脱毛症(46.6)でした。 %)ドセタキセルアーム内。
 
結論:S-1はドセタキセルと同等に効果的であり、以前に治療された進行性NSCLCの患者に治療オプションを提供します。
 
▶︎なぜ大鵬の試験はいつもHRの95%CIの上限が1.2なのでしょか?
▶︎効果面ではDTX+RAM>DTX≒S-1、安全面ではS-1≧DTX≧DTX+RAMといった感じでしょうか。
▶︎他の2nd lineを対象と試験と違い、3rd line以降やPS2の患者さんが登録されているので、RAM+DTXやDTXなど他剤の選択肢のある中、salvage lineとしての位置付けになってきそうですね。