おんころぐ

主に5大癌(胃大肺乳肝)に関する論文などを備忘録として。

【CRC】転移性結腸直腸癌の二次治療における血管新生阻害剤の選択

Selection of Second-line Anti-angiogenic Agents After Failure of Bevacizumab-containing First-line Chemotherapy in Metastatic Colorectal Cancer.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30149985

 
・ベバシズマブ、ラムシルマブ、ザルトラップ3つの血管新生阻害剤の使い分けのヒント
・現状で1次治療で化学療法+ベバシズマブ後の2次治療の選択レジメンについては直接比較もなく3剤の使い分けをどうするかという明確な指標はない
・薬価や使い慣れ等以外では、それぞれの試験の背景や作用機序の違いが使い分けの材料となる
・今回の解析では1st lineの治療成績(PFSの長さ)によって3剤それぞれの効果をレトロで比較した
 
HRだけで考えると1st lineのPFS別で
①3ヶ月未満
ラムシルマブ>アフリベルセプト>ベバシズマブ
②6ヶ月未満※
ラムシルマブ>ベバシズマブ≒アフリベルセプト 
③9ヶ月未満
ラムシルマブ>ベバシズマブ>アフリベルセプト 
④9ヶ月以上
ベバシズマブ=アフリベルセプト >ラムシルマブ
※6ヶ月未満のHRはラムシルマブだけ解析がでており、他2剤との比較は明確にはできない
 
・VEGF−Dを抑えるのはラムシルマブだけである
・ベバシズマブにとってVEGF−Dは予後不良因子であり、一方ラムシルマブは効果予測因子となる
・つまり、1st lineでの進行が早い=予後不良=VEGF−Dが高い=他剤は効きにくく、ラムシルマブは効きやすい
・VEGF−Dが実臨床で測定可能になるまでは、1st lineの進行度合を仮想マーカーとして用いる可能性も示唆される
・実際に1st lineのPFSはTREE試験で中央値9ヶ月なので、HRだけで考えると半数でラムシルマブが良いのか。

▶︎バイオマーカーが確立してない現状では、1st lineが9ヶ月未満であればラムシルマブが良さそうですね。